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静かな絵描き

フィレンツェの観光名所の一つである
ヴェッキオ橋を渡ってどこまでもまっすぐ行き

どこかの角を曲がった所の暗いアトリエで
その男は絵を描いていました。

突き刺さるような集中力で。

最初はアトリエの前の通りを挟んだ
こちら側から彼の様子を眺めていただけで

さぁ行こうかという時に望遠レンズで
一枚だけ写真を撮ったのです。

シャッターを切った次の瞬間
見ているのは当然分かっているよという
笑みを浮かべ彼がこちらを向き手招きしました。

私がアトリエに入ると男は何も言わず照明を付け
また絵を描きはじめます。

光がないと写真が撮れないことを
知っているのです。

彼は絵を描き、私は彼の写真を撮りました。

無言の会話が10分くらい続いたところで
彼は筆を置き「日本人か?」と一言。

彼は描きながら話すことをしません。

そう、日本人。と私

「私の作品をどう思う?」と彼が訊くので
正直に答えました。

絵のことはよく分からないけど
あなたの集中力が凄かった。

彼は続けます。

私はウェブサイトも持たずにずっとこのアトリエで
オリジナル作品を描いているのだけど
一枚だけ人の影響を受けた作品がある。

その人物はホクサイでこれがその一枚。

江戸時代の浮世絵師、
葛飾北斎の事を言っているのです。

その一枚とは日本髪を結った
全裸の女性にタコが絡み付き
女性器に吸い付いている作品でした。

絵描きの名前は
Vincenzo Vecchiarino
ヴィンチェンツォ・ヴェッキアリ―ノ。

また一人、プリントした写真を送る人が増えました。

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The place where I want to go to most is Edo in Japan.
Vincenzo Vecchiarino

一番行きたいところは日本の江戸だよ。
ヴィンチェンツォ・ヴェッキアリ―ノ

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by foto_cychedelico | 2012-02-09 23:59 | wanderlust
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